現在ラリーガで問題になっている、ヴィニシウスジュニオール選手に対する人種差別問題のまとめです。
バレンシア事件
2023年5月21日に行われたバレンシア戦、スタジアムはMONOコールで溢れかえっていました。
MONOとはスペイン語でサルを意味し、これは明らかにヴィニシウスジュニオールに向けられたものでした。
そしてゴール裏にいたあるサポーターが、ついにサルのジェスチャーで挑発するのをヴィニシウスが目撃しヒートアップする場面がありました。これにより試合は10分以上も中断
この際の現場の詳細なやり取りはこちらを参照↓
ちなみにこの試合の主審を務めたRicardo De Burgos Bengoetxeaさんのマッチレポートには、人種差別問題の件には全く触れられていませんでした↓
試合後に人種差別的なジェスチャーを行ったサポーター3名が特定され、生涯スタジアム入場禁止処分という思い処分が科せられました。
セビージャ事件
バレンシア事件にて重い処分が科せられたにも関わらず、2023年10月22日に行われたセビージャ戦悲しい事件は再び起こってしまします。
ゴール裏のセビージャのサポーターがサルのようなジェスチャーをしているのがよくわかります↓
これに対してヴィニシウスはすぐさまに自身のSNSでこのような投稿をしています。
要約するとこんな感じです↓
残念な出来事が再び起こってしまいました。今回は子供です。いけない事だと教育できる人がいないのが残念です。僕は子供がこういう風に育たないようにと、ブラジルの教育機関にたくさん投資をしているのに。スペイン当局がこの種の問題をしっかり取り締まってくれるよう、法律を整えてくれるのを願います。それが2030年W杯に向けた素晴らしい一歩となるでしょう。
ヴィニシウスを支持する動き
バレンシア事件の翌日
ヴィニシウスの母国ブラジルでは、人種差別問題に関して大きな関心が寄せられました。
その証拠にヴィニシウスに関する検索が前日から650%増加し、これはGoogle史上最も多いものだった事が報じられています。ちなみに最も関心が多かったのはボリビアでブラジルは2番目だったそうです。
24時間内にブラジル国内のヴィニシウスに関する検索キーワードは画像の通り↓
そしてバレンシア事件を受けて、各方面から次々とヴィニシウスを支持する動きがみられました。
まずはブラジル大統領です。
なんとブラジルのルーラ大統領が国際舞台において、世界に向けてヴィニシウスの人種差別問題について言及したのです。
国の大統領がイチサッカー選手の為にコメントするなんてすげー!と思うかもしれませんが、ブラジルでは結構大統領がワールドカップの事などに突っ込みを入れる事がよくあります。さすがサッカー王国ですね。
続いてブラジル全土の各クラブがオフィシャルサイトでヴィニシウスへのエールと人種差別問題撲滅を訴えるコメントを投稿。これにはブラジルサッカー連盟CBFも含まれます。
人種差別問題に真向から向かうヴィニシウス
ヴィニシウス自身、生まれてから数々の人種差別問題に悩まされてきましたが、自身の脚にはこのようなタトゥーを掘っています。
Enquanto a cor da pele for mais importante que o brilho dos olhos, haverá guerra
(肌の色が瞳の輝きよりも重要視される限り、戦争は再び起こるだろう
と人種差別問題に堂々と立ち向かう姿勢を示しているのです。
また2023年6月17日に行われたブラジルVSギニアの親善試合で、ブラジルはなんと史上初めて黒のユニフォームを着る事となりました。これは人種差別問題に抗議する意味のもので、発端となったスペインの地で、ヴィニシウスは堂々と10番を身に着けてプレーしました。
ヴィニシウス ジュニオール法が成立
バレンシア事件の事態を重く見たブラジルサッカー協会は人種差別問題の対策案を練ります。
その結果なんとリオデジャネイロでヴィニシウス・ジュニオール法が可決されたのです。
これは、スポーツの試合において人種差別的な言動が発見された場合、ゲームの中断や中止が実行される、という内容のものだそうです。
余談ですがブラジルにはこうしたサッカー選手にちなんだ法律である、“ペレ法”や”ジーコ法”というものが存在します。
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