近年になって浦和レッズと何かと縁が深いポルトガルのポルティモネンセ
その裏で手を引いているのがテオドロ・フォセンカ氏であると言われております。
日本ではコンスタンティン・テオドールやテオなどの呼び名で知られているようですが、謎に包まれたテオドロ・フォンセカ氏の正体は?一体どのような人物なのでしょうか?
テオドロ・フォンセカとは
本名Theodoro Fonseca、通称テオ
ギリシャ系ブラジル人のスポーツエージェントです。
元々自身もサッカー選手であり、ブラジルではコリンチャンスやフルミネンセなどでプレーをしていました。
日本へ初めて来日したのは1989年のこと。
どのようないきさつで日本へやってきたのかは不明ですが、おそらくは留学生として北海道大学のサッカー部でプレーしていたのではないかと推測します。
またサッカー強豪校のコーチをやっていたという話もあります。
そしてその後は日本でスポーツの代理人業を始めます。
F1のアイルトンセナや日本サッカー協会と仕事をし、ビジネスの実績とコネクションを築き上げました。
テオは元々はプブリシダージ・プロモソインス(MJF Publicidade e Promoções)というサンパウロを拠点とする大手エージェント会社に属していたと言われていますが、こちらのソースを見つける事はできませんでした。
因みに同社は世界的に有名なマネジメント会社で、90年代後半から南米、ヨーロッパへのほとんどの移転に関与してきた言われています。2000年にルイス・フィーゴをバルセロナからレアルマドリードへ6500万ユーロで移籍させ、2013年にもネイマールをサントスからバルセロナへ9000万ユーロで移籍させたことで話題になりました。
ただテオがこの会社の創始者であるジョアン・フィゲル氏(Juan Figer Svirski)と深いコネクションを持っている事は間違いなさそうです。
話を戻して、テオが今までに手がけた主な選手は以下の通りです↓
・ジュニーニョ
・ディエゴ・ソウザ
・ネネ
・フッキ
・フランサ
・ロブソン・ポンテ
・マギヌン
・マルシオ・リシャルデス
・レアンドロ
・レナチーニョ
・金崎夢生
・マウリシオ
・ファブリシオ
テオはかなりやり手の代理人として有名で、その手法は業界の一部では有名だそうです。
その手口とは、ウルグアイにあるレンティスタス(Rentistas)やスペインのセントラル・エスパニョール(Central Español)といったチームを介して移籍させるというものです。
なぜこのような回りくどい方法をとるか?というと税金回避の為です。
ブラジルから直接移籍させると関税がかかってしまいますが、これらのチームを介して移籍させることにより関税を少なくし利益を上げているのです。
事実、フッキががこの手法により東京VからFCポルトへ移籍しました。
因みに上の表にある亀倉龍希選手はテオの実息であり、日本代表の中島翔哉とはヴェルディユース時代の先輩後輩の仲です。
自身もサッカー選手としてプレーしており、一時期名門FCポルトに所属していた時期もありました。
(池上FC→東京Vジュニア→東京Vジュニアユース→FCポルトU-18→FCポルト→ポルティモネンセ)
選手引退後はマネジメント業に注力し、中島翔哉がポルトガルへ移籍した際はその通訳と代理人を務めております。
ポルティモネンセとは
創立1914年で100年以上の歴史のあるポルトガルのサッカーチームです。
ポルティマオン(Portimão)という人口50000人ちょっとで、広さで言えば八王子市くらいの田舎町を本拠地としています。
ホームスタジアムの収容人数は僅か6000人です。
会長はホジネイ・サンパイオ氏(Rodiney Sampaio)
マウリシオとファブリシオの入団会見の際に話していたこの人ですね↓ ※ 動画はこちら
なんとこの人はテオの小さい頃からの親友だそうです。
テオは大株主としてクラブに君臨しています。
そして元浦和のロブソン・ポンテが副社長を務めています。
ポルティモネンセと浦和レッズの縁が深いのはこの為ですね。
また元磐田のグラウもSDを務めている関係で、非常にJリーグとのコネクションが強いと言われています。
テオとポルティモネンセの関係
テオがポルティモネンセと最初の関係を持ったのは2011年頃でした。
テオが何人かの選手を手掛けたのがきっかけで、その年にポルティモネンセは2部から1部へ昇格しましたが、その後チームは再び下位リーグに降格し低迷してしまいました。
当時のポルティモネンセの会長だったFernanda Rchaより、クラブ再建の為フロントに入りを打診されたのがきっかけで、2014年にSADを設立させました。
チームの経営が軌道に乗るまでに少し時間を要したものの、2016年~2017年頃にかけてテオは大株主となり、チームの成績も安定してきました。
ちなみに現在テオはポルティモネンセの株を89%の株を保持しているとのこと。
これまで田舎の弱小クラブであったポルティモネンセは、ブラジル人投資家の登場により1部の中堅クラブへと成長したのです↓
シーズン | リーグ | 順位 |
---|---|---|
2011-12 | リーガ・デ・オンラ(2部) | 16位 |
2012-13 | セグンダ・リーガ(2部) | 6位 |
2013-14 | セグンダ・リーガ(2部) | 7位 |
2014-15 | セグンダ・リーガ(2部) | 14位 |
2015-16 | セグンダ・リーガ(2部) | 4位 |
2016-17 | リーガプロ(2部) | 1位 |
2017-18 | プリメイラ・リーガ(1部) | 10位 |
2018-19 | プリメイラ・リーガ(1部) | 12位 |
2019-20 | プリメイラ・リーガ(1部) | 17位 |
一見テオの投資によりポルティモネンセは再建され、強豪クラブへと成長したかのように見えますが、その手腕を懐疑的にみる意見もあるようで
というのもテオが実質ポルティモネンセを買収してから、クラブは徹底的に利益追求型のクラブへとスタイルが変わって行ったそうです。詳しくはこちらをご覧ください↓
なぜポルティモネンセはだめなんですか?という質問がたくさんあったので、仕事で使った資料の一部を除き、最近のネタを足して公開します。暇な人は是非。 pic.twitter.com/c9EKJsx6j6
— J1-3リーグ 海外日本人 ニュース 移籍 契約お知らせは公式情報のみ (@J1363438314) December 31, 2020
世界的にも一定の知名度を得たポルティモネンセですが、近年になって中国、ロシア、メキシコ、カタール、ブラジル、スペインといった海外投資家からも注目されるようになり、M&Aの話が多く舞い込んできているのだとか。
そして驚くべきことに、つい先日日本のある投資機関より3500万ユーロでチーム売却を打診された事もテオ自身がインタビューで明かしています。
ちなみに3500万ユーロと言えば、日本円でおよそ44億円になりますが、参考までに2019年にメルカリが鹿島を買収した際は、鹿島の時価総額約26億円だったと言われているそうです。
また2020年9月には、プレミアリーグのマンチェスターシティの親会社であるシティ・フットボール・グループ(CFG)がポルティモネンセを傘下にする為に、テオと交渉したという報道もありました。その時のオファー額は3500万ポンド(約50億円)であったと言われています。これに対しテオは1億3300万ポンド(約187億円)を要求したそう。
なにはともあれ、ポルティモネンセは投資家にとってとても魅力的なクラブなのだという事でしょう。
セレモニーとは
ポルティモネンセのユニフォームにセレモニーという企業名が入っております。
セレモニーとはさいたま市に拠点を置く冠婚葬祭業の企業であり、2018年にポルティモネンセのメインスポンサーとして契約を締結しました。
セレモニーはポルティモネンセのメインスポンサーでありますが、浦和レッズの株主にもなっております。
(情報によると志賀司社長のお母さまが熱狂的な浦和レッズのサポーターなのだとか)
以上、浦和レッズとテオドロフォンセカの関係について調べてみました。
浦和レッズとポルティモネンセの関係はいつまで続くのでしょうか?
訴訟問題
テオはこれまでにも、その非合法な手法による選手の移籍などが問題視されておりましたが
2021年3月にポルトガルサッカー協会から訴訟を起こされたというニュースがありました↓
テオがポルトガルサッカー協会に訴訟を起こされた模様。最悪2年間の業務停止になるかも。違法な仲介業務を行ったとして中島やエヴェルトンの名前も含まれているみたいhttps://t.co/Xa8otYag0d
— camisa8浦和レッズ (@camisa8reds) March 2, 2021
今回の報道によると、テオはロンドンにFor Goolというペーパーカンパニーを持っていて、そこを介して何人もの選手を移籍させることにより、代理人に払う手数料の額を過少申告していたとのことです。ちなみにこの会社は2011年~2017年にかけてポルトに融資も行ってたらしく、まだまだしられざる闇がありそうな雰囲気です。
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